「答えなぁ…答えと言やぁ。昔堤防に行ったら、からからに干からびた細長い魚が打ち捨てられていたんだよ。これは後から知ったんだが、だれか心無い釣り人が、狙っていた本命の魚じゃないってんで海に逃がさず堤防に捨てたものだったんだ。」
おじいさんは店内に置かれた椅子に腰かけながら言った。
「なぁ君たちならそんな干からびた魚をどうする?」
干からびた魚… 干された魚なら美味しそうと思うはずだが、本命じゃないから捨てられたとなると途端にかわいそうに感じるかもなぁ…と私はため息をついた。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、かめくんも自分の気持ちを整理するかのように「ふむ」と喉の奥から小さな相槌のような音を出した。
「正直、僕なら気が付かないかもしれません。けれどもし、それがそんな理由で捨てられたとその時見て知ったとしたら、生きている可能性は極めて低いですが、万が一生きていたらすぐに逃がすか、そうでなくても土に埋めてあげたくなるかもしれません。それもすごく人間の勝手だなあとは思うけれど」
と言いながらかめくんが私を見たので、
「私も、いや私なら見つけてしまったら可哀想と思いながらもそれがどうしてそうなったのか、またそのままにするとどうなるのか少しの間死んだ魚を観察してしまうかもしれません。迷惑な話かもしれないけれど」とおじいさんに言った。
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