とても楽しみしていますとホソミさんにメールをすると、すぐに返事が来た。
「実は白状しますと、もう昨日からサンドイッチを仕込み始めて作ってしまったのです。
だから今日の昼行きませんか?良ければそちらに向かいます」
私はニヤッと笑って「嬉しいです」とすぐにメールを返した。
すぐに大きなカゴ製のランチボックスを持ったホソミさんがやってきた。
トンっとカウンターに置いたランチボックスを見ていたら、
「これ、竹製、気に入って買っちゃいました」といったので、存在感がありますねと答えた。
そして私たちは、洞窟エントランスに向かうために山を降りるバスに乗ることにした。
店の前の通りを海側に向かって歩き、そこからカーブするように少し山を下ると、すぐにバス停にたどり着きすんなりバスが来たので、私たちはそれに乗った。
「バスに乗るのは少しズルしてるような気がしますね」
ふふふと笑いながら、二つ並んだシートの奥に座ったホソミさんが言った。ホソミさんはランチボックスを大切そうに膝の上にのせていた。
「そうですか?でもこのバスは山のふもとまでだからそこからまだ歩くのでしょう?」
と私は聞いた。
「ええ、でも何となく自分で名付けておきながら洞窟エントランス、そこに向かうって何だか冒険者って感じしません?」
「あ、冒険ですか?」その発想はなかったと思い、私も目を輝かせた。
「最近ハマってるんですよねそういうゲーム、少し古い攻略本が店に入ってきたりして」
そこまで言うとホソミさんは本格的にくくくっと面白そうに笑った。
ホソミさんの笑い声を聞きながら私も想像を膨らませた。
洞窟に向かうために背の高い葦の草原を渡ってゆく、やがてたどり着く洞窟の入り口。
そして戦う前のひと休憩、そんな感じだろうか?
がたっとバスが揺れて、ふとシートの隣に座ったホソミさんに目をやると、もう笑うのをやめて真剣に窓の外を見つめていた。
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