2018年12月18日火曜日
わかめの日⑳
そしてイサトさんは、
「いや、まぁだからと言って、生物学的にどうとか環境的にどうとかそんな大きなことではないんですが、僕はそういった事に全然詳しくないし」と少し恥ずかしそうに付け足して言った。
でもそんなことは、イサトさんが本当に言いたいことはその絵を見ていたら分かる。
わかめ、ワカメ・・・若芽、どんな風に呼ぼうか・・・
どれだっていい、わかめを取り巻く輝く世界。薄明るい海中から手を伸ばして空まで届き、今度はその穂先がそこから天までへも引っ張り上げてくれそうにさえ見える。
それがどのように生き物として呼吸しているのか、そういったことを想像させる気がした。そしてそれを表現できるのはやはり、仕事としてわかめと長い間かかわってきた経験があるからこそなんだろうと思った。
「イサトさんはわかめが大好きなんですね」と色々思いはあったけど、上手く言えずにそれだけ言った。
「そうですね、僕は結局わかめが大好きです。」イサトさんもまた私と同じような感じで言った。
「さあ、あちらの部屋に戻りますか、まだ見せたい資料はありますよ。でも彼はもう少しこの部屋にいたほうがいいのかな」
みるとかめくんが一冊の本のようなものを手にしてそれを開いたところだった。
その中身を見てかめくんは慌てて本を閉じた。
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