わかめの日⑤
店長さんは続けて言いました。
「あれね、完全なるやらせ。組合長さんの自作自演のイベントらしいですよ」
そう聞いて私は、頭がガーンっと木槌か何かで殴られたような気がしました。
なんでも店長さんによると、加工品店の前の店長さん、つまり今の店長さんのお父さんが組合長さんの奥さんと昔からの知り合いで親しくしていて、よく組合長さんの愚痴を聞かされるそうです。それでたまたま店を引退したお父さんが、久しぶり店にきて店長さんと働いていた時に、その奥さんが店に顔を出してきて延々と、また愚痴を聞かされたそうです。(それは店長さんも一緒に聞いていた)
その今回の愚痴というのが、例のイベントの事。
奥さんが言うには、組合長さんだけがそのイベントに夢中になっていて、
商店街のみんなは迷惑している、皆にもう毎月毎月何の日か決めて何かするのはちょっとイベントを行う頻度が高すぎるから、
何とかなりませんか?と、奥さんに苦情が来るとの事。
しかも、あの投函箱の謎も明かされたのです!
謎とはつまりこういう事、あの投函箱には実は皆嫌気がさしていて、今となってはアイデアを投函する人なんて誰もいない。
いや、正確には二人の人物以外は誰も投函しない。
つまり、組合長さん自身と、この私以外は・・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿