防波堤に添って15分ほど歩くとイサトさんの家にたどり着きました。
イサトさんの家は外から見ると他の家との違いといえば、まるで外国の古い家についているような小さな上げ下げ窓が付いているくらいで、あとは家の形なども普通の民家でほかとのちがいはなく、逆にその窓が少し違和感があるくらいでした。つまり全体的には、港町にある他の家々とこれといって違いはないような感じだったんですが、中に入ると温かい雰囲気の洋風の部屋で、茶色い木の床と薄いアクアブルーのような色の壁、テーブルや窓辺には植物がたくさんありました。
そして一番驚いたのは、壁に干したワカメが飾ってあったことです。
部屋全体と干しワカメに感動して、「おぉ」と思わず声を出すと、
イサトさんは壁のワカメをぱりっと割り、
「たまにこんな風に取って料理にも使いますよ。一人暮らしなんでね、料理は好きです。」と言いました。